愛知県知立市にあるなんよう動物病院の皮膚科症例集です

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症例集

症例集詳細

2019年08月15日

【皮膚科】犬のアレルギー性皮膚炎(犬アトピー性皮膚炎・食物アレルギー) フレンチ・ブルドッグ

暑い時期になると症状の悪化が見られる犬アトピー性皮膚炎を強く疑った症例です。当院来院前は、数件の病院にかかられており皮膚科の有名な病院も受診したそうです。

【症例】

フレンチブルドッグ、4歳9ヶ月、去勢雄

【症状】

生後3ヶ月頃から全身性の痒みがあり、特に夏場に悪化していたそうです。初診時は特に痒みがひどく、夜も寝れずに顔やお腹をこすっていました。

【診断】

痒みを引き起こす皮膚疾患には様々なものがあります。

感染(細菌、真菌)、外部寄生虫(ノミ、ダニ)、アレルギー、角化症、免疫異常、腫瘍、身体的・精神的要因によるものなどです。

これらの中でも病気によって起きやすい犬種や年齢がある程度予想されています。

若齢から発症しているため、本症例では感染、アレルギー、精神的要因を中心に疑っていくのがいいかと思います。

また、フレンチブルドッグに好発する皮膚疾患も知られています。食物アレルギー、犬アトピー性皮膚炎、細菌性毛包炎、趾間皮膚炎、鄒壁皮膚炎などです。

・生後間もなく発症している

・季節性のある痒み

・犬種に好発しやすい皮膚病

などをリストアップし、アレルギーを軸に考えていくことにしました。各種検査の結果、感染症は否定的でした。

次に行うべきなのは食物アレルギーを診断するために食べているものを変えることです。除去食試験と言います。

ここで大事なのは、今まで食べたことのない成分で作られているフードを選ばないといけないという点です。そのためにはフードだけでなく、おやつやフィラリアなどの予防薬、お家の人がこっそりあげているものまで全て把握する必要があります。

食べている食品が把握できたところで2ヶ月間食べてもらうフードを選んでいきます。また、フードを変更するだけでなく使う食器も替えていただくことをお勧めしています。洗剤で洗っただけでは以前に食べていたフードの成分を完全に落としきれていない可能性があるからです。

よく他院で行われたアレルギー検査の結果を持っていらっしゃる飼い主様が見えますが、この検査で注意しなければならない点があります。それは検査結果がそのまま確定診断にはならないということです。陽性の判定が出ていても実際にその食べ物が症状を起こしているかはわかりませんし、陰性のものでも食べると症状が出ることがあります。また、検査のリストに載っていない食品に対してアレルギーを持っている可能性もあるため、全てがわかる検査ではないんです。ですから、私はこの検査を積極的にお勧めすることはありません。(検査費用がすっごく高いんです・・・)

ただし、食物アレルギーが除外しアトピー性皮膚炎の疑いが強まった時点で、環境抗原に対するアレルギー検査を実施することはあります。アトピー性皮膚炎は「環境アレルゲンに反応した痒みを引き起こす」病気ですので、原因を特定することができればい治療の選択肢を増やすことができる可能性があるからです。

アレルギー性皮膚疾患を疑う場合は、以上のように順序立てて検査を行っていく必要があります。

【治療】

本症例では痒みが非常に強かったため、フードの変更に加えて痒み止めの飲み薬も一緒に始めることになりました。また、スキンケアのためにシャンプーを変更していただき、皮膚が分厚くなってしまったところには塗り薬も使っていただきました。よく内服のみを処方されている子を目にしますが、皮膚科なんだから塗り薬も使って当たり前だと思います。内服だけでコントロールを試みるよりもいい結果になることが多いですね。

下の写真は治療を開始して1ヶ月の変化です。

顔や手足の毛が少し生えそろってきており、首の分厚くなっていた皮膚も薄くなってきています。炎症によってついていた皮膚の色素も薄くなっていますね!

この子はまだ除去食試験のトライアル中なので、これから元のご飯を加えていくことになります。その結果で、食物アレルギーを持っているのかどうかがわかると思います。

犬アトピー性皮膚炎は遺伝的な背景をもつ病気であり、環境からの様々な刺激によって痒みを引き起こす病気です。生まれつきの体質によるものですから、うまく病気とお付き合いしていく必要があります。治療には、内服、外用剤、シャンプー、保湿剤、フード、サプリメント、注射など様々な選択肢があります。その子にあった治療プランを計画して、よくなっていくのを見れるととても嬉しいですね!

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