愛知県知立市なんよう動物病院の皮膚科症例集です 犬の家族性皮膚筋炎の紹介です。

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症例集

症例集詳細

2019年10月10日

【皮膚科】家族性皮膚筋炎

かかりつけの先生のところで犬アトピー性皮膚炎を疑われ、セカンドオピニオンでご来院された症例です。確かに犬アトピー性皮膚炎では眼周囲に皮膚症状が出る事はよくありますが、鼻梁部にも脱毛があるのは少し違和感がありますね。全くないわけではないですが、シェルティーは犬アトピーの好発犬種でもありません。

【症例】

シェットランド・シープドッグ 2歳齢

【症状】

生後半年頃(12月頃)から顔面の脱毛を認めるようになった。

2歳になり、顔の痒みの悪化を認めるようになった。

【診断】

痒みが出てきているとのお話でしたので、まずは感染を除外しなければいけません。

皮膚表面の細胞診断、被毛検査、皮膚掻爬検査、ウッド灯検査を実施しましたが、特に感染の所見は得られませんでした。

幼い頃から症状が出ていることから通常であれば次の鑑別診断として考えるのは、アレルギー疾患や心因性の疾患です。

しかし、本症例はシェルティーでしかも幼い頃から顔を中心に症状が出ているとなれば、虚血性の皮膚疾患を除外しないわけにはいきません。

そのため、この子は初診日に鎮静をかけ(顔の付近は鎮静をかけないと動いてしまうため局所麻酔を使っても皮膚病理検査を行うのは困難です。)、病理検査を行いました。

病理検査の結果、最も疑われた疾患は「家族性皮膚筋炎」でした。

【治療】

家族性皮膚筋炎は、若齢のコリーやシェットランド・シープドッグにおいて好発する遺伝性・特発性の皮膚および筋組織の炎症性疾患です。犬における皮膚筋炎の病因は今までのところ明らかになっていませんが、何らかの免疫学的機序が関与していると考えられています。

家族性皮膚筋炎は物理的外力がかかりやすい部分や血液循環の乏しい末端部に発症することが多く、眼周囲、鼻梁、耳介先端、四肢肢端部、尾などが好発部位となっています。また口腔内や肉球にも症状が認められることがあります。

皮膚の症状としては、初期段階ではフケを伴う脱毛や赤みが見られびらんや潰瘍へ変化していきます。また重症例では筋炎を併発し、特に咀嚼筋や後肢に症状が好発します。咀嚼筋炎や巨大食道症の発症により、採食、飲水、嚥下、咀嚼が困難となり、誤嚥性肺炎につながることもあります。

軽症例では自然治癒する可能性があります。家族性皮膚筋炎に対しては特効薬のような治療法はありませんが、末梢循環改善薬やビタミン剤、必須脂肪酸製剤の内服や循環改善薬の外用、炭酸泉浴が治療として推奨されています。

炎症が強い場合にはステロイドを併用することもありますが、ステロイド自体に筋萎縮の副作用があるため、使用には十分な観察が必要となります。

 

 

 

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