なんよう動物病院の症例紹介ページです。犬の肉芽腫性脂腺炎の紹介です。

0566-82-1121

症例集

症例集詳細

2020年02月01日

【皮膚科】肉芽腫性脂腺炎 トイプードル

今回はあまり名前に馴染みがない症例のご紹介です。マニアックな方はもしかしたらご存知かもしれません

こびりつくようなフケがたくさん出るのが特徴なのですが、知らないとフケ症として診断されてしまうかもしれませんね。

【症例】

トイプードル、4歳、避妊メス

【症状】

重度のフケが出ている(この時の主訴は肉球の一部が剥がれたというものでした)

【診断】

この症例のようにフケが非常に多く出てしまう状態のことを「角化異常」といいます。角化異常には様々な原因があり、感染や内分泌障害、アレルギー、免疫異常、腫瘍などがあります。

まずは感染を除外するため、一般的な皮膚科学検査を実施しましたが特に感染を疑う所見は得られませんでした。そのため、内分泌疾患や腫瘍の検査を目的に血液検査と全身の画像診断を実施しました。その結果、甲状腺の機能が低下していることがわかったため、甲状腺のホルモン治療を行うこととしました。

甲状腺の治療を開始して2ヶ月が経過しても皮膚症状が劇的によくなる様子がなかったため、皮膚病理検査を実施させていただきました。

その結果、「肉芽腫性脂腺炎」との結果が出ました。

この症例は数年前に診察をさせていただいた子で、今思うともっと早く病理検査を実施すべきだったと反省しています。その理由は、皮膚腫瘍の中には多量のフケを主体とした症状を出すものもあり、病理検査のタイミングによっては治療時期を逸してしまうこともあるからです。ですので、私が病理検査を飼い主さまに提案する時は「病気の確定診断をつけたい」ときよりも「この病気を見逃すと命に関わるかもしれない」ときが多いと感じています。

【治療】

脂腺炎(肉芽腫性脂腺炎)は詳しい病態が明らかになっていない疾患です。国内の好発犬種は秋田犬、スタンダード・プードル、トイ・プードル、ジャーマンシェパード、サモエドなどが挙げられます。秋田犬とスタンダード・プードルでは遺伝の異常も報告されています。分厚い固着性のフケと脱毛を特徴とし、進行すると全身に拡大していきます。被毛の状態も悪化し、毛艶が悪く、折れやすくなります。脂腺炎のみの場合は痒みはあまりありませんが、二次的に膿皮症を併発すると痒みを伴う可能性があります。

上記の犬種や症状から脂腺炎が疑われた場合の最も有効な検査は皮膚病理検査です。病理検査によって、脂腺領域に炎症細胞の集まりがある場合や脂腺の退縮および消失が認められると診断的になります。

脂腺炎の治療で効果が期待されるのは、シクロスポリンの内服です。この子はシクロスポリンの内服だけでもフケが減りましたが、あと一歩きれいになりきらなかったのでビタミン剤を追加しました。もちろんいつものスキンケアも頑張っていただきました🐶

あまりきれいな写真がなくて申し訳ありません^^;

フケの量や毛艶の変化を見ていただければ、治療の効果をお分かりいただけるかと思います。

今回ご紹介した「脂腺炎」は頻繁に出会う病気ではありません。しかし、これほど多くのフケを出す病気は少ないですから、ご自宅の子の背中をみて「なんかフケ多くない?」と感じられたら、一度先生に相談してみてくださいね!

 

 

 

症例集一覧へ戻る

カテゴリ

PAGE TOP