なんよう動物病院の皮膚科ページです。今回は腫瘍症例です。

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2018年11月30日

犬の肛門嚢アポクリン腺癌

皮膚のセカンドオピニオンで来院されましたが、腫瘍と診断されたワンちゃんをご紹介します。

【症例】

チワワ、16歳

【症状】

1ヵ月前から肛門の周りが赤くただれてきた。排便時に叫ぶ。

他院にて、抗生剤とステロイドをもらって飲んでいるがよくならない。

 

【診断】

本症例の場合、病変は潰瘍(皮膚が深いところまでえぐれてしまっている状態)を形成しています。

これほどの病変を形成する病気のうち高齢から発症し急速に拡大してくる疾患は、特殊な感染症や免疫疾患、または腫瘍性疾患などがまず鑑別診断にあがります。

皮膚科検査では明らかな腫瘍を疑う所見は得られませんでした。血液検査とレントゲン検査、超音波検査を実施し、体の内部からの病気である可能性が低かったため、初診の時点で皮膚病理検査を実施させていただきました。

その結果は「肛門嚢アポクリン腺癌」でした。

私は腫瘍の専門ではありませんので、ここでは簡単な説明にとどめさせていただきます。

肛門嚢アポクリン腺癌は、肛門周囲腫瘍の約17%を占めるといわれており、猫の発生では非常に珍しい腫瘍です。腫瘍随伴性の高カルシウム血症を伴うことがあり、それにより多飲多尿を示すことがあります。

【治療】

治療の第一選択には外科的に切除するのがよいとされています。この子は高齢で体調が悪化しており心臓弁膜症も持っていたため、麻酔リスクが高い状態でした。

腫瘍の治療には、外科手術の他に化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法や免疫療法などがあります。肛門嚢アポクリン腺癌は明確な効果のある化学療法のプロトコールが確立されていません。また、放射線療法も基本的には外科手術後の補助的治療として考えられています。

そのため、本症例では生活の質をできるだけ維持できるよう、免疫調節の注射と痛み止めを用いて治療することにしました。痛み止めが効いてくれたのか、排便時に叫ぶといった症状はなくなりましたが、病変の拡大は徐々に進行していきました。

下が初診から3週間後の写真です。

平面にはあまり拡大していないように見えますが潰瘍部分が白く壊死しており,えぐれ方がより深く

なっています。この子はこの写真を撮影した2週間後になくなってしまいましたが、最後まである程度の食欲を維持することができました。

こうした皮膚の腫瘍性疾患でもたまにご来院されることがあります。皮膚の腫瘍は初期であれば手術で摘出してしまえば完治してしまうものもありますが、拡大や転移があったり、本人の体調が悪い場合は手術そのものができないこともあります。

ちょっとでも治りが悪いな…とか、広がるスピードが速くない?と感じられることがありましたら、早めにご相談していただくことをおすすめいたします。

 

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