なんよう動物病院の症例紹介ページです。犬の脂漏性皮膚炎の紹介です。

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2018年12月30日

犬の脂漏性皮膚炎

これが今年最後の症例紹介になります!

全身の痒みとベタつきを主訴に来院されたワンちゃんです。

よくあることなのですが、ご家族がステロイドの使用に対してものすごく反対しており、シャンプーでの治療しかやってこなかったそうです。

【症例】

トイプードル、7歳

【症状】

幼いからの全身の痒み、脱毛、ベタつき、フケ

【診断】

まずはいつも通り、皮膚の検査から行います。見た目や症状の発生時期を考えると、なんとなくあれだろうなーと予想はつくのですが、見落としがあってはいけません。どんな子にもしっかりと検査をします。

皮膚検査の結果から、マラセチアという酵母様真菌(カビ)が増殖していることがわかりました。このマラセチアは体表の皮脂を餌にして増殖するため、皮膚がべたついてくると増えてきます。そして、マラセチアの菌体や代謝産物によるアレルギー反応で痒みを引き起こすと言われています。

またマラセチアの他、皮膚表層の細胞の代謝が亢進していることがわかりました。皮膚の代謝のことをターンオーバーといいます。ターンオーバーの周期は人では4週間で1サイクル、犬ではおよそ21日で1サイクルといわれています。ターンオーバーの周期が短くなることで未熟な細胞が表面に出てきてしまい、バラバラとはがれやすくなります。この時、はがれたものがフケです。このように皮膚表面の代謝に異常が生じることを「角化異常」といいます。

角化異常にはさまざまな原因があります。感染、体質によるもの、アレルギー、内分泌、免疫異常、腫瘍などです。今回の症例は、幼いころから症状が出始めているため、体質やアレルギーを疑いました。そのほかの原因を探すため、血液検査と画像診断を実施しましたが明らかな異常はありませんでした。

【治療】

痒みを伴う皮膚病を治療する場合、全部を一気に治療していくのではなく細菌やカビなど感染症から治していくことがセオリーです。これにより、感染がどの程度痒みに影響しているかを判断することができます。

今回は痒みの原因となっているマラセチアを減らすことから始めました。マラセチアに対する治療は多々ありますが、文献上しっかりとした効果を評価されているのは抗真菌成分の入ったシャンプーによる薬浴と内服薬による治療です。今回は飼い主様がシャンプーに慣れていたため、内服は使用せずシャンプーのみでマラセチアの減少を確認することにしました。マラセチア増殖に対するシャンプー療法として、最初の2週間は週2回、その後はマラセチアの数を確認しながらシャンプーの頻度を減らしていくことが推奨されています。

また、皮脂が非常に多かったためシャンプー前のクレンジングオイルとシャンプー後の乾燥から皮膚を守るための保湿剤も併用しました。保湿剤の種類もさまざまなものがあり、その子その子によって使用するものを変えています。そのお話はまた別のところで…。

飼い主様の努力の成果も出て、シャンプー療法のみでマラセチアの増殖は抑えることができました。

しかしながら、それでも痒みがある程度残っていたため、内服薬を併用することにしました。今回、選択したのはステロイド剤です。ステロイドに対して辛辣な意見を述べている先生もいらっしゃいますが、僕自身はステロイドがそこまで悪い薬だとは思いません。正しい知識をもって、皮膚の症状と副作用のバランスをとりながら使っていけば、非常に有効な治療手段になります。また、ステロイドには脂腺の増生抑制効果があると言われており、脂漏体質の子の治療にはとても効果的です。

角化異常の原因の一つにアレルギーがあり、特に食事アレルギーの関与が疑われる場合があります。この子も今まで食べていた食事からごはんを変更していただき、かゆみの改善につながりました。

治療の前後がこちらです。

まだ腹部の色素沈着は残ってしまっていますが、フケや痒みは特になくいい状態を保てています。

現在は週1回のシャンプーと、2日に1回のステロイド剤の内服で治療を継続しています。悪化しやすい夏場になるとシャンプーの回数を増やしていただいて、調整することもあります。

今後も痒みなく快適な生活を送れるようにサポートしてあげたいと思います。

 

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