チョコレート中毒について

  • 2019年1月18日
  • 最終更新日 2019年1月18日
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こんにちは!

今日は、夜間救急で診ることが多い誤食の中でもここ最近、特に多いと感じているチョコレートを食べてしまった時の中毒についてお話しようと思います。

ねぎ類やぶどうがワンちゃんにとってよくないことはみなさんご存じかと思いますが、チョコレートが有害なものと知っている方は案外少ないようです。

チョコレート中毒は、チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインといったメチルキサンチンの過剰摂取により生じる中毒です。

チョコレートには甘いものから苦いものまでたくさんありますが、苦いものほど多くのメチルキサンチンを含んでいますので、苦いチョコレートがお好きな飼い主様は要注意です!

食べてしまった量にもよりますが、数時間以内に急性の嘔吐や下痢、反射の亢進などが見られ、重症な場合ですと痙攣発作が起こることもあります。また、体重あたりに対するチョコレート量が多くなりやすい小型犬でより重篤化するケースが多いようです。

治療はまずはとにかく吐かせることと、メチルキサンチンを吸着してくれる吸着剤を投与することです。また催吐処置がうまくいかない場合は、麻酔をかけて胃洗浄を行うこともあります。

残念ながら、食べてしまってから時間が経っていると吐かせてもあまり治療効果はありません。その場合は輸液をしながら、経過を観察し痙攣の前兆が見られた場合は抗けいれん薬を使用します。

うまく吐けた場合でもメチルキサンチンは3~4日は血液中に残留しますので、しっかりと様子を見てあげる必要があります。

ワンちゃんたちは私たちが思っている以上に筋力があります。以前、どこかのセミナーで「トイプードルでも人に換算するとウサイン・ボルトくらいの筋肉量がある」というのを聞きました。これってすごい筋肉量ですよね!ちょっとくらい大丈夫と思って、テーブルの上に置いておいたものが食べられてしまったというケースは本当にたくさんあります。

誤食によって命を落としてしまうこともありますので、十分に注意してくださいね。

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