こんな症状はありませんか
- からだにしこりができた
- 皮膚がじゅくじゅくしている
- お腹がはってきた
中高齢犬でよく見られる腫瘍です。良性と悪性の比率は1:1と言われています。悪性腫瘍の場合は、リンパ節や肺に転移することがあります。治療は外科的な切除を行います。術前の検査や術後の病理検査で転移が判明した場合は、手術後に抗がん剤治療を行うこともあります。
犬の皮膚腫瘍では最も発生頻度が高い腫瘍です。肥満細胞腫の形はさまざまで、1つのものから多発するものや、柔らかいものから硬いものまであります。肝臓や脾臓に転移することがあり、食欲不振や元気消失などの症状が出ることがあります。治療は小さいものであれば外科切除と放射線療法が推奨されています。それではコントロールができない場合や、大型のもの、多発しているものについては抗がん剤療法を行っています。
猫の乳腺腫瘍は、猫の腫瘍の中で3番目に多い病気です。ほとんどが悪性であり、リンパ節や肺に転移します。猫の乳腺腫瘍は悪性の挙動を示すことが多いため、1つの小さなしこりであっても同じ側の乳腺を全て摘出します。術後の病理検査で転移が判明した場合は、犬と同様に抗がん剤治療を実施することがあります。
猫の扁平上皮癌は、猫の皮膚腫瘍の11%を占めると言われています。10歳以上の高齢猫で起きやすく、白毛の猫の方が有色の猫よりも発生率が高くなっています。原因は明らかになっていませんが、紫外線の暴露やウイルスの関与の可能性が示されています。治療は可能な限り外科切除を行いますが、腫瘍のできている場所によっては手術が適応とならず、放射線療法や抗がん剤療法を選択する必要があります。
当院では腫瘍の治療に入る前に詳しい検査を行い、治療方針を決定しています。
院長は日本獣医がん学会に所属し、検討会などに参加することで腫瘍に対する知識を深めています。
外科切除が必要な場合に備えて短時間で手術ができるよう、血管シーリングシステムを導入しています。