こんにちは!まだまだ寒い日が続いていますね。
今日は、近年特に怖い存在となっているマダニについてお話させていただこうと思います。
ノミ・マダニともに春先から動きが活発になり、冬になるまで積極的に活動しています。
両者とも人間に移る可能性のあるウイルスを媒介していることが問題となっていますが、近年特に話題となっているのが、「SFTS:播種性血管内凝固症候群」です。この病気はSFTSウイルスの感染により、発熱や消化器症状、意識障害、皮下出血など様々な症状を起こします。致死率は報告により差はありますが、30%ほどと報告しているものもあります。(致死率30%ってけっこうすごい数字ですよ!)
東日本でのSFTS患者の届け出はまだありませんが、東海圏では三重ですでに届け出がありますので、愛知県に入ってくるのも時間の問題かと思われます。(色がついている県が届け出が出されている県です。)
国立感染症研究所HPより抜粋
感染経路はマダニの刺咬によるものがほとんどですが、感染患者の体液に接触することで人から人への感染も報告されています。
実際に獣医師の先生の中にもSFTSウイルスの感染が確認された方がいらっしゃいます。その先生はSFTSウイルスに感染した猫ちゃんの処置をしている最中に感染したのではないか、と疑われています。
これまで当院でのノミ・マダニ予防のおすすめの仕方も「できたらやってくださいね~」くらいだったと思います。ですが、最近飼い主さまや動物病院スタッフの健康被害の報告が出てきている以上、今まで以上にしっかりと予防を意識していただきたいと思います。
今後、ノミやマダニに感染しているわんちゃん、ねこちゃんがご来院された際については他の患者さまへの感染拡大を防止する目的として、診察時間の最後まで待っていただくことやお預かりをお断りさせていただくなどの対応を取る場合もあります。
当院ではノミ・マダニの活動が始まる3月から活動が終息する12月までの10か月間を予防期間として推奨しています。この予防期間は、これまでフィラリアの予防のみだった飼い主さまには少しハードルが高いかもしれません。
現在報告されている年間を通してのSFTS発症例数は4月から9月が明らかに多くなっています。発症例数が増える時期とマダニの活動が活発になる時期は一致しています。
国立感染症研究所HPより抜粋
ですので、まずは春先から秋までのノミ・マダニの活動が活発になる半年間にしぼって予防していきましょう!