犬の歯周病の症状と原因、治療について

  • 2022年11月18日
  • 最終更新日 2023年4月21日
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知立市、刈谷市、安城市、豊田市、名古屋市のみなさんこんにちは。

愛知県知立市のなんよう動物病院の院長鈴木です。

今回は、犬の歯周病の症状と原因、当院での治療について説明させていただきます。

<歯周病とは?その原因>

歯周病は犬において日常的に見られる口腔疾患で、2歳以上の80%の犬で何らかの歯周病兆候を持っていると言われています。歯周病は歯を支える歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜など)が歯周病菌の感染によって破壊・吸収される「感染症」です。歯周病菌は歯垢(プラーク)の中にいて、プラークコントロールできるかが歯周病の進行に大きく影響を与えます。

一方、歯の汚れとして一般的に見られる歯石はそれ自体が悪さをするわけではありませんが、表面が粗くなることでプラークを付着させやすい環境となり、悪化要因の一つとして考えられています。付着した歯石を除去するスケーリングは歯周病予防の手段の一つです。

<歯周病の症状>

歯周病に伴う症状としては、以下のようなものがあります。

・口臭

・歯垢、歯石の付着

・歯の動揺もしくは脱落

・硬いものが食べにくくなる

・歯肉の発赤、腫脹、退縮、排膿

・出血や痛み

・口の周り(特に目の下や頬の部分)の腫脹、排膿、鼻水や鼻出血

<知立市のなんよう動物病院の歯周病治療>

歯周病のステージは4段階に分かれており、ある程度は肉眼で判断できますが確定診断とステージ分類は全身麻酔下での口腔内検査と口腔内X線検査が必要となります。

ステージ1(歯肉炎)の治療

ホームデンタルケアに加えて、必要であればスケーリングや研磨を必要とします。

ステージ2(軽度歯周炎)

スケーリングと歯肉縁より下の汚れの除去が必要となります。炎症を起こした不良な歯肉があれば、それを取り除く処置を加えることがあります。

ステージ3(中等度歯周炎)

基本的なスケーリングと歯肉縁の下の歯石除去に加え、歯肉の一部を剥がして歯槽骨を露出させ、直接目視で歯石除去を行います。この処置をした場合は切開した歯肉を元に戻すため、縫合が必要となります。

ステージ4(重度歯周炎)

このステージまで進行すると、どうしても歯を残さないといけない理由がない限りは抜歯が推奨されます。

基本的に抜歯が適応となるのはステージが3以上に進行した歯が対象となりますが、症例の年齢や基礎疾患の有無(複数回の麻酔に耐えられないかもしれない場合)、進行することで骨折につながる可能性の高い歯かどうか、飼い主様がご家庭で十分なデンタルケアができるかなどの判断基準を設けています。

また、ある程度進行した歯周病の歯に対して抜歯ではなく、歯周組織再生治療というものがあります。この治療をご希望の場合は、歯科専門病院をご紹介しています。

 

 

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