知立市、刈谷市、安城市、豊田市、名古屋市のみなさんこんにちは。
愛知県知立市のなんよう動物病院の院長鈴木です。
今回は犬の膀胱炎の症状と原因、当院での治療について説明させていただきます。
・排尿障害
・頻尿
・血尿
・不適切な排泄
膀胱炎を起こすものとしていくつかの要因が知られています。
陰部や周辺皮膚の常在菌が尿道を介して感染します。大腸菌やブドウ球菌などの感染が一般的です。発熱や食欲低下、嘔吐などの全身症状を伴う場合は、膀胱に感染した菌が腎臓や前立腺に移動し、腎盂腎炎や前立腺膿瘍のような重篤な疾患につながっている可能性もあります。
結石が膀胱内で転がる、もしくは結石になる前の結晶が膀胱の中で浮遊することで膀胱粘膜に傷がつきます。それにより炎症が起こ理、膀胱炎の症状が出るようになります。
シクロフォスファミドという抗がん剤は肝臓で代謝を受けた後、アクロレインとなり腎臓から排出されます。アクロレインは膀胱の粘膜に取り込まれることで細胞障害を引き起こし、膀胱炎を発症します。
細菌感染が原因と考えられる膀胱炎の場合は、確認できた菌の培養感受性検査を行い、効果のある薬が確定した段階で抗生剤の投薬を開始します。
採取した尿に菌がいたとしても、炎症細胞が出てきていなければ感染は成立していないため、治療の必要はありません。
尿石が原因で膀胱炎を起こしている場合は、フードやサプリメントでの治療が効果的です。尿石の種類によっては内科治療では効果の乏しいものもあり、その場合は手術で直接膀胱から石を摘出する必要があります。
いずれのタイプの膀胱炎にしても、膀胱内に尿が長時間とどまることで尿の濃度が上昇し、菌の増殖や結石の析出がしやすくなります。そのため、できるだけ飲水量を増やせるように工夫し、膀胱内の循環を良くしてあげることが治療の効果をあげ、再発予防にも役立ちます。