知立市、刈谷市、安城市、豊田市、名古屋市のみなさんこんにちは。
愛知県知立市のなんよう動物病院の院長の鈴木です。
今回は、犬の白内障の症状と原因、当院での治療について説明させていただきます。
・目が白くなる
・まぶしがることが増える
・物にぶつかることが増える
・置いてある食事をすぐに見つけられない
・臆病になる
このような症状が見られる場合は『白内障』になっている可能性があります。
白内障は本来透明であるはずの水晶体がさまざまな原因で変性し、不透明になることで起こります。水晶体変性の要因としては、加齢、外傷、遺伝、放射線障害、先天性、糖尿病、中毒などがあります。
白内障には進行段階によって4つのステージがあります。
・初発白内障
水晶体の15%程度までの小さな混濁がある状態。視覚への影響はありません。
・未熟白内障
初発白内障よりも混濁は進行しているが、100%の混濁ではなく視覚はある状態。
・成熟白内障
水晶体が完全に混濁し、視覚が失われた状態。
・過熟白内障
水晶体の蛋白質が変性して液化し、水晶体の形態が変化した状態。多くの場合、ぶどう膜炎を続発しています。
未熟白内障までの加齢性白内障に対しては点眼治療によりある程度、進行を抑制することが可能です。また抗酸化作用により白内障の進行を予防する効果が期待されているサプリメントなどを使用することがあります。
成熟白内障まで進行してしまった場合、内科療法で視覚を取り戻すことはできません。ですが、過熟白内障に進行してしまった場合は将来的にぶどう膜炎を起こすことが予想されるため、ぶどう膜炎の予防として炎症をコントロールする点眼薬を使用することができます。
白内障になってしまった水晶体を透明にし、視覚を取り戻すことができるのは現時点では手術のみとなっています。
白内障の外科手術をする場合には、まず超音波検査や網膜電位図検査を行い、網膜が正常であるか、手術をした後に視力を取り戻せる状態なのかを判断する必要があります。また点眼処置が可能か、角膜の濁りがないか、水晶体の位置は正常かなどを確認してから全ての条件を満たした場合に手術に進みます。
当院では手術をご希望された飼い主様には県内の眼科専門医をご紹介しています。