犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。
当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。
当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。
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今回は、若い頃から毎年夏に皮膚の悪化を認め、痒み止めの内服とシャンプーをかかりつけから処方されていましたが、冬にも症状が出るようになったのでご相談いただいた紀州犬の症例をご紹介します🐶
紀州犬、6歳齢、去勢雄
3歳になった頃から夏季に痒みや皮膚の脱毛を認めるようになった。しばらくの間は冬場になると症状が落ち着いていたため夏場はアポキルを使用し、冬には治療の中止していた。しかし当院来院時は冬にもかかわらず症状が悪化してしまっている。
写真では鼻筋や前肢、腹部に脱毛や赤みが強く出ていることがわかりますね。
今回の症例を診断していくポイントは、「これまでは夏季だけに出ていた皮膚症状が冬になっても出るようになってしまった」点です。
もともとアポキルで管理されていて、季節性があったことから「犬アトピー性皮膚炎」を持っていたことはかなり疑わしいです。
この紀州犬の子は体重が16kgほどあり、中型犬に入ります。それくらいのサイズの子が6歳になってから季節のない痒みが出始めたとすると、アトピー以外の疾患が併発している可能性を追求しないといけません。
全身に強い痒みがあるため、以下のようなことを調べていく必要があります。
・菌やカビの二次感染はないか
・寄生虫の感染はないか
・内分泌疾患の関与はないか
・腫瘍性疾患など全身の免疫を動かす疾患はないか
今回はこれらを調べるために皮膚検査、血液検査、ホルモン検査、レントゲン検査などを実施しました。
幸いなことに腫瘍など命に関わるような疾患はないとわかりました。皮膚検査では「マラセチア」が重度に増殖しており、ホルモン検査とエコー検査から甲状腺の機能が低下していることが疑われました。
そのため、今回の診断は「犬アトピー性皮膚炎+甲状腺機能低下症に伴うマラセチア皮膚炎」と診断しました。
全身の痒みに対してはこれまでの治療実績があるアポキルを用いました。
また甲状腺機能を補うため、ホルモン剤を内服していただくことになりました。マラセチアは甲状腺機能が低下したことによる皮脂分泌の増加の影響で増えているため、スキンケアによって皮脂をコントロールしてあげれば自然に減っていきます。
治療は「アポキル+甲状腺ホルモン剤+シャンプー+デイリーケア保湿」としました。
治療開始後、2ヶ月でこんなにきれいになりました!
顔の毛並みが整ってきているのは、甲状腺ホルモンを補充してあげた影響が出ていると思います。胸からお腹にかけては皮膚が赤く、毛が全くない状態でしたが飼い主様の適切なケアもあり、フサフサの毛が生えてきていますね!
もともとうまく管理できていた症状が突然コントロールできなくなった時は、それ以外の要因で悪化している可能性を必ず追求しないといけません。
原因を追求して症状が悪化した理由が判明すれば、短期間で症状を改善されることも期待できます。
わんちゃん、猫ちゃんの皮膚疾患でお困りの飼い主様は、ぜひ当院までご相談ください!
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