犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。
当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。
当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。
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今回ご紹介するのは数年前から皮膚の症状がどんどん悪化していたにも関わらず、かかりつけの動物病院さんではステロイドの飲み薬を出されていただけで他の治療ができなかった柴犬さんです🐶
柴犬、11歳齢、オス
3歳ごろから少しずつ皮膚の痒みや赤みが出るようになった。初めは暑い時期に症状が出ていたが8歳を過ぎた頃からは1年中症状が出るようになった。
当院初診時には眼、耳、首、胸、腹部に赤み、脱毛、皮膚の色素変化などが見られており、診察室の中でも常にどこかを掻いている状態でした。
痒みを引き起こす皮膚疾患には様々なものがあります。
感染(細菌、真菌)、外部寄生虫(ノミ、ダニ)、アレルギー(食物アレルギー、アトピー)、脂漏症、免疫異常、腫瘍、身体的・精神的要因によるものなどです。
これらの中でも犬種や発症年齢からある程度どのような疾患が関与しているかを予想することができます。
今回は悪化したタイミングこそ高齢になってからですが若齢からも皮膚の症状は出ていたため、アレルギーや脂漏症などはもともと体質として持っていた可能性が高いです。
また高齢になってから悪化しているため、ホルモンバランスの異常や免疫疾患、腫瘍性疾患などの関与で皮膚病が悪化した可能性も探っていく必要があります。
基本となる皮膚科検査の結果、感染による皮膚症状の増悪の可能性はありませんでした。次に血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行わせていただき、全身の状態も細かく調べましたが皮膚症状の悪化と結びつく病気は見つかりませんでした。
そのため、今回はアレルギー性皮膚炎が悪化しているものと仮診断し、治療を始めるとともに食物アレルギーの関与も調べることにしました。
食物アレルギーを診断するためには食べているものを変えることが必要です。これを除去食試験と言います。
ここで大事なのは、今まで食べたことのない成分で作られているフードを選ばないといけないという点です。そのためにはフードだけでなく、おやつやフィラリアなどの予防薬、お家の人がこっそりあげているものまで全て把握する必要があります。
食べている食品が把握できたところで8週間食べてもらうフードを選んでいきます。また、フードを変更するだけでなく使う食器も替えていただくことをお勧めしています。洗剤で洗っただけでは以前に食べていたフードの成分を完全に落としきれていない可能性があるからです。
このように口から入っているアレルゲンを厳密に管理して、食物アレルギーの関与を調べていきます。今回のわんちゃんは試験の結果、食物アレルギーの関与は否定的だったため、皮膚への栄養価の高いフードを食べてもらうことにしました。
今回実施した治療は以下のとおりです。
・フードの変更
・内服薬をアポキルに変更(血液検査で肝臓の数値が高かったため)
・塗り薬と保湿剤+シャンプーでスキンケア
これらの治療を行い、3か月後の姿がこちらです。
皮膚が赤かったところはきれいなピンク色になり、首や胸では毛が生えてきているのがわかりますね!
長年かけて悪化してきた皮膚病でも治療プランをしっかり計画してやれば、これほどの変化をもたらすこともできます。アトピー性皮膚炎や脂漏症といった体質による皮膚病の場合、治療を継続していかないと状態は悪化してしまうことが多いですが、内服や塗り薬の回数を減らして負担が少ない状態にして維持していくことは可能です。
ずっと病院にかかっているけど良くならない、ステロイドばかり出されて体の負担が心配といった飼い主様、ぜひ一度当院にご相談ください!
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