【皮膚科】ステロイドが効かなかったトイプードルの脂漏性皮膚炎

  • 2023年3月17日
  • 最終更新日 2024年4月01日
Pocket

犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

今回は皮膚の痒みやフケでお悩みで来院されたトイプードルさんをご紹介します🐶

かかりつけの病院ではステロイドをもらって症状をコントロールしていたそうです。

 

【症例】

トイプードル、6歳齢、去勢オス

 

【症状】

生後2歳ごろからフケとかゆみが目立つようになり、かかりつけの病院ではステロイドを処方してもらっていた。当院を受診する2年ほど前からは皮膚症状が悪化してきていても、体の負担を考慮し、通院はせず無治療で経過を見ていた。

写真では体の毛が全体的に抜けており、部分的に皮膚が見えてしまっているところもあります。これはかゆみによって体を掻きこわしてしまっているためですね。

 

 

【診断】

もともとフケが多かったという稟告とトイプードルという犬種から脂漏性皮膚炎を第一に疑いました。

今回は皮膚科検査では皮膚常在菌の異常増殖は見られず、血液検査でも大きな異常はありませんでした。

そのため、生まれつきの体質として持っていた脂漏症に皮膚炎が加わり、悪化してしまったものと考えました。

 

【治療】

脂漏性皮膚炎の治療のポイントは、いかに体表の皮脂をコントロールするかにあります。今回は「外からのスキンケア」としてこれまで使用してこなかった皮脂をうまく調節してくれるシャンプー剤と保湿剤、「内からスキンケア」としてサプリメントを併用していただき、治療を計画しました。

かゆみがあったため、過去に使用していて効果の見られたステロイドも併用していくこととなりました。

治療開始後、3ヶ月で以下のような変化が見られました。

 

短くなってしまっていた毛はすっかり元通りの長さまで生えそろい、モコモコの状態になっています。現在はご自宅でのシャンプーと病院での薬浴で皮脂のコントロールを行いながら、ステロイドの投薬は月に数回の投薬頻度まで減らすことができています。ここまで少ない回数での投薬であれば、ステロイド特有の副作用が出る可能性は非常に小さいと言えるでしょう。

ステロイドについては、飼い主様の話を聞くとまず第一に聞こえてくるのが副作用に対する懸念です。確かにステロイドは使用しないならその方がいいですし、副作用を気にする必要もありません。ですが、動物医療でステロイド以外の投薬に頼るということはその分、治療費がかなり高額になることを意味します。皮膚病の多くは、この治療費が生涯にわたってかかってくるため、その辺りの費用負担に全く問題がない方がいれば、そうでない方もいらっしゃいます。

皮膚病の治療は「改善させる期間」と「状態を維持する期間」に分かれます。状態を維持する期間を長くできなければ、結局元の状態に戻ってしまいますから治療効果や副作用、費用のバランスも考えて継続できる治療をご提案しています。

当院では脂漏性皮膚炎だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。

 

当院で実際に治療で使用している薬用シャンプーやサプリメントが購入していただけるようになりました!

 

 

 

診察をご希望の飼い主様は、下のバナーから専門サイトをご覧ください

 

 

これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!

 

 

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

 

 

カテゴリー