知立市、刈谷市、安城市、豊田市、名古屋市のみなさんこんにちは。
愛知県知立市のなんよう動物病院の院長の鈴木です。
今回は、犬の結膜炎の症状と原因、当院での治療について説明をさせていただきます。
目ヤニや涙が多い
目がしょぼしょぼする
目をこする
目が赤い
このような様子が見られる場合は『結膜炎』になっている可能性があります
結膜炎の原因は細菌、真菌、ウイルス、寄生虫の感染や免疫介在性、涙液層の異常など多岐にわたります。また他の眼疾患や全身性疾患から結膜炎を併発することもあり、眼科検査や全身の検査を用いて原因疾患を調べる必要があります。
・外傷性結膜炎
角膜や結膜にものが当たったり、砂や花粉といった粒子が付着することによる刺激で結膜に炎症が起こることがあります。
・感染性結膜炎
細菌、ウイルス、真菌などが感染することで結膜に炎症を起こします。
・免疫介在性結膜炎
免疫が関与する代表的な結膜炎はアレルギー性の結膜炎です。アトピー性皮膚炎などの全身性のアレルギーの症状の一つとして、結膜炎が出てくることがあります。
・涙液層の異常
眼の表面を覆う涙液はムチン層、水層、油層から構成されていて、そのうちのいずれかに異常が起きると結膜炎を発症します。水層に異常が起きている状態を乾性角結膜炎、油層に異常が起きている状態をマイボーム腺機能不全と呼ぶこともあります。
・いつからの症状か
・目やにの質(サラサラ、ねばねば)、色、量など
・どの部分が赤くなっているか
・目やにの性質はどのような状態か
・結膜のむくみはあるか(急性反応である場合)
・まぶたが痙攣しているか(痛みの有無の確認)
・涙の量(痛みの有無の確認)
・痒みがあるか(アトピー性皮膚炎などの確認)
・ランプ検査(眼全体の状態確認)
・涙液量測定(乾性角結膜炎のチェック)
・フルオレセイン染色検査(角膜表面の傷のチェック)
・眼圧測定(緑内障のチェック)
・目やにの細胞検査(各種感染のチェック)
・PC R検査(ウイルス感染が強く疑われる場合)
・血液検査、画像検査(全身性疾患の関与が疑われる場合)
感染性結膜炎の場合は感染源にそれぞれ対応する点眼薬を用いて治療を行います。また結膜炎が重度の場合は、痛みを伴うことがあるため痛み止めの飲み薬を併用することがあります。
免疫介在性結膜炎の場合は、ステロイドの点眼を使用することで免疫反応を抑え込む必要があります。また他の部位に症状が出ているときは同時に治療を行っていきます。
涙液層に異常がある場合は、異常が出ている層に合わせて点眼液もしくは眼軟膏を使用します。