【皮膚科】アレルギー性皮膚炎・柴犬

  • 2021年9月6日
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知立市・刈谷市・安城市のなんよう動物病院の鈴木です!当院では一般診療のほか、犬猫の皮膚病治療に力を入れています。

今回は顔と耳の痒みが重度で、脱毛し皮膚が変色してしまった柴犬の子をご紹介します!

【症例】

柴犬、9歳、メス

【症状】

3年前から顔と耳を中心にして、痒みが出始めた。かかりつけの病院と転院先の病院では、アポキルやステロイドを処方されたがほとんど効果は見られなかった。内服薬では効果が見られなかったので、長期間効く注射を打ってもらったが、それでも痒みはおさまらなかった。

また怒りやすい性格のため、病院でもほとんど触ってもらうことができず、先生は遠くから見て「お薬出しておきますね。」状態だった。

目と耳の周りに皮膚の症状が顕著に出ていますね。かゆみで目を擦ってしまうため、目の刺激で目ヤニも出ています。

 

【診断】

今回の柴犬さんの場合、高齢になってから症状が出ているため、高齢でも発症しやすい食物アレルギーや脂漏症などを鑑別に入れながら検査を進めました。ここまで皮膚症状が重度でしたが、皮膚の上の感染はほとんどありませんでした。ただ、耳に関してはほぼケアがされていなかったため、耳道が閉塞してしまい中はまったく覗くことができない状況でした。また、耳道内には膿が溜まっており、感染もみられました。

まず、食物アレルギーが関与しているかどうかを調べるためにこれまで食べたことのないタンパク質で作られたフードに変更していただき、それと並行して皮膚炎の治療も行うことにしました。

【治療】

重度の皮膚炎と外耳炎を持つ症例の場合、内服と点耳薬を併用しながら治療を進めていくことが多いです。それは、外からのお薬の方が高濃度で病変に薬を届かせることができ、治療効果も高いと感じているからです。しかし、この子はご自宅であっても飼い主さんが塗り薬や点耳薬を使おうとすると噛み付いてしまうため、外用剤が一切使えないというハンデがありました。

そのため、今回の治療方針はとにかく病院では耳を徹底的に洗浄し、できる限りお薬も入れてしまう!あとはご自宅で内服薬とフードを与えてもらう!

これだけです。

そもそも他の病院さんでは触ることができなかっただけあって診察台の上では歯を剥き出しにして唸っていましたが、なんとか口輪をつけさせてくれる子だったので治療ができました!これまでも様々な凶暴なわんちゃんを相手にしてきたので、よほどの大型犬でない限りは大抵の子に口輪を装着することが可能です!下の写真では、ちょっと油断してしまったため、口輪がプラスチック性ではなく、布製に変わっていますね。これは後で写真を見て気づきました。反省です。

治療を開始して2ヶ月後の写真です。

目も耳も劇的に毛が生えて、皮膚の色も普通の色に戻りつつあります。

正直、内服とフードの治療のみでスキンケアや外用剤が使えない子だったので、もう少し時間がかかる or 完全に元に戻るのは難しいかも・・・と飼い主さんとお話ししていたので、2ヶ月でここまで改善したのは、私自身驚きました。ただ内服薬に頼っている部分も大きいので、今後お薬をいかに減らしていけるかのトライアルが必要になりますし、フードが関与しているかどうかの試験についても継続中のため、今後の反応を注視しなければなりません。また、耳の閉塞は完全に解除されたわけではないため、今後も定期的に洗浄と投薬を繰り返していく必要があります。

それでもここまで改善してくれて、飼い主さんはとても喜んでおられました。特に痒みがおさまってから、性格も丸くなり大人しくなったと言っていただいたので、生活面でも過ごしやすくなったと思います。

当院が得意とするのは、内服だけでなく、塗り薬やシャンプー、日々のスキンケア、フードやサプリメントといったトータルで皮膚の内外からアプローチしていく皮膚治療です。今回のようにその大半が封じられてしまったとしても、残った手札でなんとか改善まで持っていけるケースもあります。

おうちで触ることができないような子でも、まだ治療して改善する可能性が残っているかもしれません!まずは一度、お近くの皮膚科を得意とする動物病院にご相談してみてください!

今回のわんちゃんのように重度の外耳炎の治療も行っております。こちらのサイトもご覧ください!

当院へのご連絡、ご相談はこちらからどうぞ!

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