【皮膚科】アポキルが効かないフレンチブルドッグのアトピー性皮膚炎

  • 2022年4月15日
  • 最終更新日 2024年4月01日
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犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

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今回はステロイドやアポキルを試したが、内服を中止するとすぐに症状が悪化してしまうためにご来院されたフレンチブルドッグの症例をご紹介します🐶

【症例】

フレンチブルドッグ、2歳、雄

【症状】

当院来院の2ヶ月前に皮膚炎を発症。かかりつけにてアポキルを処方され、内服中は調子が良かったが投薬を中止するとすぐに症状が悪化してしまう。県内の他の皮膚科病院にも受診したが、精神疾患と診断された。

全身に赤みがありかなり痒そうですが、特に顔まわりがひどいですね💦

【診断】

このような見た目(赤みが強く、左右対称の湿疹)がある場合、まず疑いたくなるのはアトピーや食物アレルギーなどのアレルギー性の皮膚疾患です。

アトピーなどの疾患がある場合でも他の細菌や寄生虫が増殖していると、痒みが増悪してしまうため感染性の皮膚病の除外診断は重要です。

この子は皮膚科検査の結果から、ブドウ球菌が増殖していることがわかりました。写真のように塗ったような赤みの中にプツプツとした湿疹が見えます。この部分にブドウ球菌が増殖しており、「膿皮症」が起きていました。

ただし、膿皮症の症状が出ている部分が腹部に限られていたことから、メインの疾患はアレルギーに属するものであり膿皮症はそれに続発したものと考えました。

それと同時に食事を変更して、食物アレルギーの評価も実施しました。この子は小さい頃からずっと「カナガン」を食べていました。カナガンやモグワンといったプレミアムフードは肉、魚、野菜などさまざまな食材が使われており、栄養バランスも整っている素晴らしいフードです(値段はお高いですけど…)が、アレルギー症状が出たときに何が原因か分かりにくくなってしまうというデメリットがあります。

今回は食物アレルゲンの中から比較的反応が出にくいとされている魚をメインとしたフードに変更していただき、食事の反応も見ていくことになりました。これを除去食試験と言います。

 

【治療】

治療はシャンプーと日々の保湿でブドウ球菌の増殖を抑えつつ、アレルギーにより低下した皮膚バリア機能を改善させるためのスキンケアを実施していただきました。

また皮膚の赤みが強いところには、外用剤のステロイド剤を使用していただき、全身の痒みに対してはアポキルを継続して使用することにしました。

治療を開始して1ヶ月後の写真です。

全身の赤みがかなり改善したことがお分かりいただけるかと思います。

2ヶ月間の除去食試験の後、、元のフードに戻していただきましたが皮膚の症状が悪化することはありませんでした。そのため、今回は食事の影響は受けておらず、犬アトピー性皮膚炎による皮膚症状が強く出ていたと結論づけました。

ここからはアトピー性皮膚炎により低下した皮膚バリアを改善させるため、リノール酸やリノレン酸といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれているフードに変更し、サプリメントも始めました。

アレルギー疾患は基本的に完治させることは非常に難しい疾患です。ですが、さまざまなケアを組み合わせることでメインとなるお薬を減らすことができます❗️

今、なかなか皮膚の治療がうまくいかずに悩まれている方も一度、ご相談にいらしてください!

 

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