【皮膚科】再発を繰り返すミニチュアピンシャーの膿皮症

  • 2022年5月13日
  • 最終更新日 2024年4月01日
Pocket

犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

今回は抗生剤を繰り返し使用するも、すぐに再発を繰り返してしまうミニチュアピンシャーの症例をご紹介します🐶

【症例】

ミニチュアピンシャー、9歳齢、メス

【症状】

1年前から膿皮症を繰り返しており、数種類の抗生剤を使用してきた。内服中は症状が治まるが、内服が終了してしばらくすると同じような発疹が出てくる。

全身、特に背中を中心に円形の脱毛が広がり、細かいフケも出ています。

【診断】

症状からは膿皮症がかなり疑わしいのですが、他の皮膚疾患の見落としがないように基本となる皮膚科検査を行います。今回は皮膚の表面の細胞を採取する検査でブドウ球菌が大量に増殖していることがわかりました。これまでの経過と皮膚症状の出方、皮膚科検査の結果から「膿皮症」と診断しました。

今回の症例のように高齢になってから膿皮症が発生し、さらに再発を繰り返してしまう場合は皮膚疾患以外にも基礎となる疾患が存在している可能性があります。

再発性膿皮症の原因として、以下のようなものが挙げられます。

・犬種(遺伝的)

・年齢(幼若もしくは高齢)

・アレルギー性皮膚炎

・多汗症、脂漏症

・内分泌疾患(甲状腺、副腎、性ホルモン)

・内臓の悪性腫瘍

・薬剤の影響(ステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤など)

・高温多湿の環境での飼育

・外傷

・誤ったスキンケアの実施(刺激の強いシャンプーでガンガン洗うなど)

・栄養状態の悪化

血液検査とレントゲン検査、エコー検査を行い、内分泌疾患と腫瘍の関与の可能性が低いことがわかりました。

また、当院で行った細菌培養感受性検査でも多くの薬剤に耐性が出ており、「多剤耐性菌」となっていることがわかりました。

【治療】

皮膚の状態からアレルギー性皮膚炎や脂漏体質んどの特徴も見られなかったため、シャンプーと食事の変更を行い、スキンケアを強化していただくことになりました。

治療方法を大きく変更してから、3ヶ月後の姿がこちらです。

全身に広がっていた脱毛がきれいに治っていますね!

抗生剤を使用しなくても、丁寧なスキンケアと食事を変更して皮膚の栄養価を高めてあげることによって、これだけの治療効果をあげることができます。

抗生剤を使用すると確かに一時的にはよくなるかもしれません。ですが、同時に再発予防の策をとっていかないと再発を繰り返し、多剤耐性菌を生む原因になります。抗生剤は皮膚だけでなく全身に作用しますので、内臓などの見えないところにも作用しています。

皮膚病ではなく命がかかった病気にかかった時に耐性菌が感染して、治療方法がありませんでは困ってしまいますよね。

スキンケアは手間のかかる治療法ですが、根気よく続けていけば効果を実感できるタイミングは来ます!耐性菌を生まないためにも抗生剤に頼らない治療を心がけていきたいですね!

 

当院で実際に治療で使用している薬用シャンプーやサプリメントが購入していただけるようになりました!

 

 

診察をご希望の飼い主様はこちらのサイトをご覧ください!

 

以下のリンクから直接ご予約をお取りいただくことも可能です。

これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!

 

 

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

 

 

カテゴリー