【皮膚科】毛周期停止と診断されたポメラニアンの甲状腺機能低下症

  • 2022年5月14日
  • 最終更新日 2024年1月26日
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犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

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今回は他院にて毛周期停止(アロペシアX)と診断されサプリメントの治療を行っていましたが改善しないため、当院を受診していただいたポメラニアンの症例をご紹介します🐶

【症例】

ポメラニアン、7歳齢、去勢雄

【症状】

首、耳、体、後ろ足の毛が薄くなっており、皮膚の色が黒ずんできたとのこと。もとの病院ではポメラニアンの脱毛=毛周期停止!ということでサプリメントでの治療が開始されたそうです。

写真では背中、お腹、後ろ足に顕著な脱毛があることがわかりますね💦

【診断】

毛周期停止(アロペシアX)は「ポメハゲ」と呼ぶ人もいたほど、ポメラニアンで多い脱毛症だと思われてきました。最近ではトイプードルやシベリアンハスキーなどでもよく見かけるようになりました。毛周期停止という病気は毛の成長がなんらかの原因で止まってしまう「休止期脱毛状態」に陥ることで発症します。

この休止期脱毛状態になる病気は何があるのか?ここがポイントです。

休止期脱毛状態に移行する代表的な疾患は以下のようなものがあります。

・ホルモン異常(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、性ホルモン失調症)

・毛周期停止

・剃毛後脱毛症

・身体的ストレス(高熱、妊娠、重篤な全身症状、外科手術、薬物使用など)

これらの原因を検査や問診から除外していく必要があります。

このポメさんは飼い主様のお話から身体的なストレスになりそうな原因はなかったため、血液検査と超音波検査を実施してホルモン異常の診断から入りました。

そこで血中の甲状腺ホルモン濃度が低いことがわかったため、「甲状腺機能低下症」と診断しました。

【治療】

甲状腺機能低下症による脱毛症を治療する際には甲状腺ホルモンを内服で体に入れてあげることが重要です。この子は甲状腺ホルモン剤に加えて、皮膚の栄養価が高まるように脂肪酸が豊富に含まれたサプリメントも併用していただきました。治療開始から4ヶ月後の姿がこちらです。

被毛の量が増え、毛色も濃くなりました!

ポメラニアンだから!という理由で決めつけるのではなく、しっかり検査をしてから治療に入りたいですね!ちなみにホルモン系疾患で脱毛した場合、血中のホルモン濃度が安定してから皮膚のコンディションが整い発毛が開始するため、脱毛状態に明らかな変化が見られてくるのは3〜6ヶ月ほど時間がかかります。

その間は焦らずに治療を続けてあげてくださいね。

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これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!

 

 

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