犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。
当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。
当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。
当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。
オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。
今回のシーズーさんは、小さい頃からちょっとした皮膚炎や外耳炎を繰り返していたが、当院受診の3か月前から急に皮膚症状が悪化してしまい、かかりつけの動物病院で治療が難しくなってしまったため、ご来院されました🐶
シーズー、4歳齢、メス
もともと1歳以前から外耳炎は繰り返しており、かかりつけでは点耳薬をもらっていた。当院受診の3か月前から首や胸、腹に痒みと赤み、脱毛が目立つようになり、ステロイドやアポキルを処方されて内服しているが症状が改善している印象はない。
またマラセブシャンプーを病院で処方され、月2回の頻度で洗浄を行っていました🧴
写真を見ると首や腹部にかなり強い皮膚炎があることがわかりますね。また両耳とも皮膚が肥厚し、慢性外耳炎になっていることがわかりました。
これだけ赤みが強い皮膚炎ですと感染をともなっていることが考えられるため、皮膚の検査はしっかりと行います。またシーズーという犬種と若い頃から皮膚や耳の症状があったことをふまえると、脂漏症や犬アトピー性皮膚炎といった基礎疾患がある可能性を十分に考慮する必要があります。
皮膚のスクリーニング検査では、マラセチアが重度に増殖していることがわかりました。それ以上に皮膚のベタつきが強く、マラセチア増殖の背景として皮脂分泌の増加を考えました。
この時点で、「犬アトピー性皮膚炎を基礎とするマラセチア増殖を伴う皮膚炎」と仮診断を行い、治療に入ることになりました。
また犬アトピー性皮膚炎の診断には、食物アレルギーを除外する必要があるため同時に新奇タンパク食を用いた除去食試験も実施していくことになりました。
治療は内服薬を中心に、シャンプーや保湿を見直すことにしました。マラセチアは皮脂を餌にして増殖するため、皮脂のコントロールを行わない限りどんどん増え続けてしまいます。そこでマラセブではなく、クレンジングと皮脂の除去を目的としたシャンプーに変更していただき、余分な皮脂が分泌されないように毎日保湿剤をつけていただくことにしました。
また耳や胸は慢性的な皮膚炎と外耳炎により、皮膚がかなり分厚くなってしまっていましたので、塗り薬のステロイド剤も併用して、皮膚を薄くしながら皮膚炎の管理を行うことになりました。
治療開始後、3か月での写真です。
首やお腹の皮膚は赤みがなくなり、きれいな毛が生えてきていますね!耳の写真も載せたかったんですが、ピンボケのあまり良くない写真しかありませんでした💦
この子は食事を変更して8週間後にもともと食べていたフードに戻す試験を行い、特に皮膚の症状の悪化が見られなかったため、食物アレルギーが関与している可能性は低いと判断しました。
そのため最終的な診断は「犬アトピー性皮膚炎」となりました。
犬アトピー性皮膚炎の初期症状であれば、ステロイドやアポキルの内服だけでもコントロールは可能かもしれません。ですが、アレルギー体質の子たちはもともと皮膚のバリア機能が低下していますので、ちょっとしたことで皮膚の状態が悪化してしまいます。その場合は適切なシャンプーやスキンケアを併用してあげないと、なかなかうまく治療はできません。
当院では犬アトピー性皮膚炎だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います!
診察をご希望の飼い主様はこちらのサイトをご覧ください!
これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!
当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。
オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。