【皮膚科】アポキルが効かないチワワの膿皮症

  • 2023年7月7日
  • 最終更新日 2024年4月01日
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犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

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今回は脱毛が改善しないお悩みで来院されたチワワさんをご紹介します🐶

かかりつけの病院ではアポキルを処方されていましたが、特に脱毛が改善することはありませんでした。

【症例】

チワワ、8歳齢、去勢オス

【症状】

もともと小さい頃から外耳炎を繰り返していたそうです。当院を受診する1ヶ月ほど前(1月)から背中がボロボロしてきたおり、かかりつけの病院ではアポキルを処方されましたが、症状は全く改善しませんでした。

写真では、背中全体の毛がまばらに抜けており、尻尾の方まで脱毛が拡大していることがわかりますね。

【診断】

写真ではなかなかわかりにくいですが、脱毛しているところに細かいフケがついており、そのフケに沿って皮膚に赤みがありました。その部分を調べてみるとブドウ球菌が大量に増殖していることがわかったため、この時点で「膿皮症」は確定になります。

それではどうして8歳の高齢犬で急に膿皮症が出たのでしょうか?

この症例ではもともと外耳炎を繰り返していたというお話がありました。外耳炎の発症原因のトップはアトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下するため、ブドウ球菌やマラセチアといった皮膚の常在菌が繁殖しやすくなります。

今回のような脱毛は初めてみたと言われていたので、もともとのアレルギー体質でバリアが弱くなっていたところに何らかのストレスが加わり、皮膚の免疫が低下した結果膿皮症が発症したものと推測しました。

高齢犬ではホルモン疾患や腫瘍などが原因となり膿皮症が発症することも知られていますが、今回はそういった全身性の疾患は見つかりませんでした。

【治療】

膿皮症は皮膚の上で増えている菌をどのように減らしていくかを考えるのが重要です。今回はワンちゃんの性格が非常に凶暴だったため、院内での薬浴ができずご自宅でのシャンプーを行っていただくことになりました。

またアトピー性皮膚炎が基礎にあると考えていたため、腸内免疫を調整するサプリメントも併用していただきました。

治療開始後、2ヶ月で以下のような変化が見られました。

 

シャンプーとサプリメントだけでここまで改善するのは、ご自宅でケアを頑張っていただいた証です!

抗生剤を使用すれば一時的に症状を抑え込むことは簡単ですが、根本的な解決がされていないため数ヶ月、早ければ1ヶ月以内に膿皮症は再発してしまいます。

今回は毛が生え揃った後も定期的に自宅ではシャンプーを行っていただき、サプリメントも摂取することで状態を安定させることができています

 

当院では、皮膚病用のオリジナルシャンプーを開発し、皮膚病治療を実施しています。

 

また今回のような皮膚炎やアトピーを持つわんちゃんでは腸内細菌バランスが崩れていることがわかっています。これらのバランスを調整することで全身の免疫環境を整えることができるため、こちらの乳酸菌サプリメントもおすすめです。

 

当院では皮膚病治療のセカンドオピニオンをご希望の飼い主様向けに特別診療を実施しています。詳細はこちらのサイトをご覧ください。

 

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