【皮膚科】ステロイドが効かないマルチーズの脂漏性皮膚炎

  • 2022年1月30日
  • 最終更新日 2024年4月01日
Pocket

犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。

当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。

当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

今回は、1歳ごろから皮膚の症状が出始め、ステロイドをずっと内服しているが症状が改善してこなかったマルチーズの女の子をご紹介します。

【症例】

マルチーズ、9歳齢、避妊メス

【症状】

1歳ごろから徐々に皮膚の赤みやフケが出始め、全身を痒がるようになっていった。

かかりつけにてステロイドや抗生剤を処方されているが、皮膚の症状が改善する様子はない。

毎月、トリミングでシャンプーを行っているが数日後にはフケが出てきて、ベタつきも感じられるようになってしまう。

写真では皮膚の脱毛や赤み、張り付くようなフケが大量にみられますね。

【診断】

痒みのある皮膚病の診断を進める上での最初のステップは感染の有無を確認することです。今回の症例でも、まずは感染があるかどうかを見ることにしました。

皮膚検査の結果から、マラセチアが過剰に増殖していることがわかりました。マラセチアは皮膚の上の常在菌です。マラセチアは皮脂を餌にして増えるため、もともとベタベタしているワンちゃんやアレルギー性皮膚炎を持っていて皮脂の分泌が増えているわんちゃんで増えやすくなります。マラセチアが増えると、マラセチアの菌体やマラセチアが分泌する代謝産物によりアレルギー反応が起こり、より痒みや赤みが悪化してしまいます。

このマルチーズの子はかなり小さい頃から症状が出ていたことから、生まれつきの体質による皮膚病である「本態性脂漏症」と診断しました。

【治療】

脂漏症の治療でポイントとなるのは、スキンケアです。

今回のように張り付くようなフケがある場合、かなり重度の角化異常があることが想定されます。この場合、まずはクレンジングを用いて皮膚の上の油をしっかり除去してあげることが大切です。その後、皮膚の油分をコントロールしてくれるシャンプーをしてから、保湿剤でトリートメントしてあげると良いでしょう。

また、シャンプーをしない日々のケアも大切で、皮膚の上が乾燥していたりすると余計な皮脂の分泌を誘発してしまうため、脂漏症の子であっても毎日の保湿が非常に重要になります。

スキンケアだけでも改善する子もいますが、痒みが重度の場合はステロイドを併用してあげることで症状を緩和することができます。特にステロイドは皮脂腺からの皮脂の分泌を抑制する効果もあるため、脂漏性皮膚炎のわんちゃんには非常に有効です。

このようにスキンケアを中心にして治療をしてから、3ヶ月後の姿がこちらです。

皮膚の赤みがとれ、毛も綺麗に生えてきていますね!

脂漏性皮膚炎で症状がコントロールできない場合は、内服だけが処方されており適切なスキンケアが実施されていないことがほとんどです。

「正しい投薬」と「正しいスキンケア」を実践することで、何歳でも、どんなに重度の皮膚状態であっても改善に導くことは可能です!

皮膚のべたつきや痒みを持っているワンちゃんの飼い主様でお困りの方は、ぜひ当院までご相談ください!

 

当院で実際に治療で使用している薬用シャンプーやサプリメントが購入していただけるようになりました!

 

 

診察をご希望の飼い主様はこちらのサイトをご覧ください!

 

以下のリンクから直接ご予約をお取りいただくことも可能です。

これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!

 

 

当院では遠方でご来院が難しい飼い主様向けにオンライン診療を行っています。

オンライン診療をご希望の方は下のバナーから詳細をご確認ください。

 

カテゴリー