犬と猫の痒みや脱毛などで一般的な治療で改善しない難治性の症例の診断・治療に力を入れている愛知県のなんよう動物病院です。
当院は愛知県のほぼ中央、知立市にありますが刈谷市、安城市、豊田市、岡崎市など近隣の市町村だけでなく、名古屋市、日進市、半田市、大府市、東海市、西尾市、蒲郡市、豊橋市など県内の各地から多くの患者様にご来院いただいています。
当院では皮膚科に特化した診療を行っています。診療をご検討されている飼い主様は以下のサイトをご覧ください。
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2歳ごろから慢性的な痒みがあり、かかりつけでステロイドをもらっているが皮膚症状が改善しないマルチーズ×トイプードルのわんちゃんをご紹介します!
MIX犬(マルチーズ×トイプードル)、4歳、去勢雄
生後半年ごろに行った去勢手術の後から、皮膚の痒みやふけがひどくなってきた。
季節を問わず強い痒みがある。
痒みを引き起こす皮膚疾患には様々なものがあります。
感染(細菌、真菌)、外部寄生虫(ノミ、ダニ)、アレルギー、角化症、免疫異常、腫瘍、身体的・精神的要因によるものなどです。
これらの中でも病気によって起きやすい犬種や年齢がある程度予想されています。
今回の症例は生後半年ほどと若齢から発症しているため、感染、アレルギー、精神的要因を中心に疑っていくのがいいかと思います。
皮膚の検査では、細菌、カビ、ノミやダニなどの感染を主に除外して行きます。今回は皮膚の常在菌である「マラセチア」が過剰に増殖していることがわかりました。マラセチアは皮脂を餌にして増える菌で、マラセチアが増えることにより皮膚のアレルギー反応が惹起され、皮膚の痒みや赤みが悪化していきます。
またフードも小さい頃から市販のフードを食べていたとのことだったので、食事のアレルギーによる症状があるかどうかの検査も並行して行っていくことになりました。これを除去食試験と言います。
この試験で大事なのは、今まで食べたことのない成分で作られているフードを選ばないといけないという点です。そのためにはフードだけでなく、おやつやフィラリアなどの予防薬、お家の人がこっそりあげているものまで全て把握する必要があります。
食べている食品が把握できたところで3ヶ月間食べてもらうフードを選んでいきます。また、フードを変更するだけでなく使う食器も替えていただくことをお勧めしています。洗剤で洗っただけでは以前に食べていたフードの成分を完全に落としきれていない可能性があるからです。
よく他院で行われたアレルギー検査の結果を持っていらっしゃる飼い主様が見えますが、この検査で注意しなければならない点があります。それは検査結果がそのまま確定診断にはならないということです。陽性の判定が出ていても実際にその食べ物が症状を起こしているかはわかりませんし、陰性のものでも食べると症状が出ることがあります。また、検査のリストに載っていない食品に対してアレルギーを持っている可能性もあるため、全てがわかる検査ではないんです。ですから、私はこの検査を積極的にお勧めすることはありません。(検査費用がすっごく高いんです・・・)
これらの検査をして一つずつ病気を絞って行きます。
今回は検査の結果、「犬アトピー性皮膚炎」の可能性が高いと診断しました。
本症例では痒みが非常に強かったため、痒み止めの飲み薬を変更するとともに、皮膚への栄養の観点からフードも変更していただきました。また、スキンケアのためにシャンプーを変更していただき、日々の保湿も積極的に行っていただきました。
それでは治療を開始して2ヶ月後にどうなったかみてみましょう!
皮膚の赤みが薄くなり、脱毛していたところにも毛が生えてきています。
耳の内側も赤みが減っているのに気づかれるかと思います。犬アトピー性皮膚炎は外耳炎の発症原因として、最も多いと言われています。ですので、皮膚症状だけでなく外耳炎のコントロールも一緒に行っていくことが多くなります。
生まれつきの体質によるアレルギー疾患は完治を目指すことは難しいですが、お薬やシャンプーを組み合わせることでうまくお付き合いすることは可能です!
なかなか皮膚病が良くならないとお困りの方はぜひ、ご相談ください!
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これまで治療した子たちをインスタグラムでも紹介しています!ぜひご覧ください!
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